女房を迎えに、車で成城学園駅に向かった。
午後6時、小田急の成城学園駅には通勤通学の人たちで溢れかえっていた。
バス停には、いつ来るかも分からないバスを待って長い列ができていた。
駅改札には、駅員に状況を聞くでもなく、あきらめ顔の人たちがうろうろしていた。
通路には、疲れ果てて座り込んだ人たちが大勢いた。
女房がどこにいるかわからず、しばらく探した。
携帯電話をかけたが、なかなか繋がらない。
15分ほど探すと、改札口のあたりで出会うことができた。
フラダンス仲間と一緒だった。
駐車場に戻って駅を離れた。
いつもなら5分で出られる世田谷通りに出るのに、1時間かかった。
世田谷通りでも車が前に進まない。
歩道には、都心からであろう家路を急ぐ人たちが黙々と歩いていた。
渋滞して車が動かない道路には、自転車が車の間を縫うように追い越していった。
多摩川にかかる大橋を渡るのにどれだけ時間がかかったのか覚えていない。
少しは渋滞が和らぐことに望みをつないでいたが無駄だった。
多摩川警察署を過ぎたところで、コンビニに寄ってトイレを借りた。
夜の11時は過ぎていたように思う。
コンビニの食料品の棚は空だった。
店の前には、疲れ果てた様子の若者が座り込んでインスタントラーメンをすすっていた。
しばらく走ると、道路が小田急線の線路と平行するようになった。
よく見ると電車が走っていた。
女房の友達の1人を町田まで送ることになっていたが、途中の鶴川という駅で降ろした。
日付が変わって、午前1時を過ぎていた。
道路は相変わらず渋滞していた。
もう1人の友達を高幡不動まで送ることになっていたが、車は進まない。
小田急線が運行を再開したのだから、京王線も・・・と期待がもてる。
京王線調布駅に向かった。
<完>
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