門前には、物売りの子供たちが待ち構えている。
断っても逃げても後を追ってくる。
その執拗さにはいささか閉口したが、
彼らは決して「物乞い」はしなかった。
彼らは決して「物乞い」はしなかった。
旅から帰った今、
この子供たちがカンボジアの明るい未来をもたらすのだという
確信に近い思いに捉われている。
【3日目】 2013年7月22日午前 =ベン・メリアへ向かう=
これから向かうのは「ベン・メリア」。
シェムリアップから東へ直線距離で50キロにある、森に埋もれたままの寺院だ。
遺跡の入口に公衆トイレがあった。
平屋で屋根は薄いオレンジ色の瓦葺きである。
中は広くて清潔で、トレットペーパーも供えられていた。
昨日の観光でも、ロレイ寺院からプリア・コーに向かう途中に公衆トイレがあった。
ヨーロッパでは通常トイレは使用料を取られる。
ここでは無料である。
また、周辺の住民がこの「清潔なトイレ」を日常の中で使っている様子はなかった。
ベンメリア入口にある大きなトイレ施設 |
トイレットペーパーもある |
清潔に保たれている |
売り子がトイレでも後を追う |
このトイレ周辺でも物売りの子供たちがいた。
発展途上の国では見慣れた光景である。
アンコール遺跡でも寺院の門前には沢山の売り子がいた。
おやっと思ったのは、寺院内の観光エリアに入ると、それ以上は付き纏わないことだ。
その点警備をしている大人の警官は悪質だ。
(警察官については、「アンコール遺跡③」に書いている。)
旅慣れている人は上手に逃げるが、ついつい買ってしまう人もいる。
東京・杉並で書道の先生をしているという女性は、
バスに戻ってくる時にはいつもスカーフやズボンなどを持って帰ってくる。
そして、
「どこにお住まいですか?次の日曜日に近所の公園のフリーマーケットに行ったら、叩き売っているかも・・・」などと冗談を言って笑っていた。
それほど買っていた。
「どこにお住まいですか?次の日曜日に近所の公園のフリーマーケットに行ったら、叩き売っているかも・・・」などと冗談を言って笑っていた。
それほど買っていた。
バス後部座席で買ってきたものに着替えたりもしていた。
ボタンがすぐに綻びてしまい、首に巻いてスカーフの代用に使ったりしていた。
ボタンがすぐに綻びてしまい、首に巻いてスカーフの代用に使ったりしていた。
カンボジアでは、学校は2部授業で、農村地帯では3部授業の学校もあるそうだ。
1クラスの人数は70人が普通だという。
親は1日中働いている。
売り子たちは、幼くて大きな労働力にはならず、見よう見まねで物売りを始めるらしい。
強要されたのならば続かないだろう、と言っていた。
売り子たちは、幼くて大きな労働力にはならず、見よう見まねで物売りを始めるらしい。
強要されたのならば続かないだろう、と言っていた。
「ワンダラー、ワンダラー」と執拗に追ってくる。
思えば、私が彼らと同じ年頃の時分、日本は戦争に負けた。
日本の子供たちは、「ギブミーチョコレート」とアメリカ兵の後を追っていた。
この記憶より、アンコール遺跡の売り子のほうが健全に映った。
彼らは物乞いはしていない。
彼らなりに稼ぎをつくっている。
この記憶より、アンコール遺跡の売り子のほうが健全に映った。
彼らは物乞いはしていない。
彼らなりに稼ぎをつくっている。
この後に売り子たちがやってくる |
遺跡は子供たちの“遊び”と“稼ぎ”の場所だ |
どこの寺院にも子供たちがいる |
遺跡の周辺での暮らしの一場面 |
旅の途中では、
いろいろなものを見、いろいろなことに触れる。
そして、いろいろなことを感じるものである。
<続く>
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