2012年2月18日土曜日

私たちのシンガポール③ ~ベイエリア~


【3日目】 2012年1月22日 =マーライオンとマリーナベイ・サンズ=


シンガポールは日本の夏のような蒸し暑さがない。
夜寝る時はいつも、長男孫がエアコンのオフタイマーを11時過ぎにセットしてくれた。
暑くて眠れない日はない。

今日は、ベイエリアの観光である。
地下鉄で行く。
最寄り駅のNovena(ノベナ)駅から乗って、RafflesPlace(ラッフルズ・プレイス)駅で降りた。


MRT路線図

ベイエリアの地図

地上に出ると、シンガポール川沿いに出た。

このエリアは、シンガポール建国の父、英国人
トーマス・スタンフォード・ラッフルズが
1819年、シンガポール島に初上陸した場所である。
ここからシンガポールが英国領となり都市として発展していくことになる。
シンガポール建国の地と言えるだろう。

古いホテルを背に写真を撮っている人たちも多い。
川には遊覧船も見えた。
リバークルーズも運行されているようだ。
建物沿いに回り込むように歩くと、「マーライオン」が視界に入ってきた。


シンガポール川の風景

この辺りがシンガポール建国の地だ


シンガポールの話題の中で、マーライオンはどうもあまり評判が良くない。
野次馬が好きな私は、観光希望として「不評なマーライオン」を連絡しておいた。

赤道直下のシンガポールでは雨季の今、
海からの上昇気流に乗っていつも雲が出ている。
朝には顔を見せている太陽もすぐ雲に覆われる日が多いようだ。
今日は午後10時を過ぎても太陽が輝いている。

青い空と青い海の中、白いマーライオンが気品を漂わせて、大勢の観光客を前に主役の大役を果たしているように見えた。
対岸には、日本のCMでひとしきり話題になった「マリーナベイ・サンズ(MBS)」が見える。


マーライオン
威勢よく水を吐く。

マーライオンとマリーナ・ベイ・サンズ
シンガポール名物の2ショット

対岸のマリーナベイ・サンズを高所から
高い3タワーがホテル
手前の低層部分がカジノやショッピングモール


マーライオンが吐き続ける水は淡水だそうだ。
シンガポールは、食糧だけでなく水もマレーシアから買っている。

大切なこの水、
「近年の購入価格交渉が決裂し、2062年から「真水」を自前で供給しなくてはならない」と
帰国してからのTVで放送していた。


シンガポールとマレーシアは1961年と1962年に水供給に関する2つの合意をしていたそうだ。
その合意により、シンガポールの水需要の4割を賄ってきたらしい。
1961年の合意は昨年2011年で切れたそう(50年間)。
1962年の方は100年間の有効期限で、2061年に失効する。
シンガポールはそれまでに100%の水自給を目指すという。
価格交渉が平行線を辿る中、世界中から水資源技術を求めて挑んでいる。
逆浸透膜を使った日本の高度濾過技術も水問題の解決に一役買っているそうだ。

日本の技術といえば、
地下鉄などの公共交通も含めて益々都市化整備が進むシンガポールであるが、
その建設工事において日本のゼネコンは下請けにまわるケースが多いと聞いたことがあった。
国際間の取引の多面性を感じた。


長男孫の絵手紙 マーライオン

末孫娘の絵手紙 マリーナベイ・サンズ

長男孫の絵手紙 マーライオンとMBS

さて、現地の私たちは川と海のベイエリアを散策中だ。
太陽の強い光を浴びて海沿いを歩いた。
話題のマリーナベイ・サンズに向かう。
入江に面してショッピングモールやカジノの施設があり、向こう側のホテルと連絡している。

ショッピングモールの名前は、「ザ・ショップス・アット・マリーナベイ・サンズ」。
ウインドーショッピングを楽しんだ後、モールの端にあるフードコートでランチにした。
広いフロアーに並んだテーブルは、見渡す限り占拠されている。
やっと見つけたテーブルは、振り返ると手洗い所への通路になっていた。
我慢して席を確保した。


ショップスの3階からの眺め

ショップスのフードコートでランチ
ラーメンをオーダー

皆が思い思いに食事を買いに立った。
私は席取りの留守番役で残った。
ラーメンを頼んでおいた。
味は日本風で馴染めるが、11ドル(約700円)とちょっと高い気がした。

ランチの後は、モールを引き返して、地上からマリーナベイ・サンズ・ホテルに向かった。
目的はもちろん“あのプール”のある最上階である。
ホテル入口は、ホテルというより大きな列車の駅を思わせる。
ドアを開けると、吹き抜けの天井がどこまでも高い。
正面には、旧正月の街でよく見かける柑橘類の黄色い実が鈴なりになった大木が飾ってあった。


旧正月の巨大な飾り
マリーナベイ・サンズホテルのロビー

ホテルの3つのタワーは1階のロビーと最上階の「サンズスカイパーク」で繋がっている。
屋上へのエレベターは一番奥の地下部分にあった。
展望台「サンズスカイパーク」へは入場チケットを購入する。
大人1人17ドルだが、シルバー割引があって我々は14ドルだった。

入場券を買ってエレベターホールに向かおうとしたら呼び止められた。
何だろうと考える間もなく、家族の集合写真を撮られた。

高速エレベーターで一気に57階に上がった。
3棟をつなぐ船形の先端部分に出た。
プ-ルはフェンスで囲われていて、入ることも見ることもできない。
先端のデッキ部分にしか入れない仕組みになっていた。

プールを一目見ようと隙間から覗いていた人もいた。
覗いてまで見たくない。
テレビのコマーシャルのような爽快感は味わえなかった。

プールに入っているホテル宿泊者を見世物のようにすることは問題かもしれない。
しかし、、、いつもプールを利用しているわけでもないだろうから、少しは見せる工夫がほしかった。


MBSの屋上「サンズスカイパーク」のデッキ



展望デッキで写真を撮っていると、一眼レフカメラを首から下げたカメラマンが近づいてきた。
家族全員の集合写真を撮ってくれるという。
デジカメを渡すと2~3枚撮った後に、自分の一眼レフカメラで撮り始めた。
怪訝な顔をしていたのか、突然「ノ-オブリゲーション」という。
息子に聞くと、「無料」という意味だという。

撮影が終わって、カウンター式の売店で記念品を探した。
お土産はボールペンにした。
旧正月ということで、お年玉を入れる赤い袋を2束おまけにくれた。

出口のエレベーターホールに出ると、カウンターの前に写真が展示してある。
見ると、2ヵ所で撮影された我々家族の姿が夜のマリーナベイ・サンズを背に並んでいた。
やっと仕掛けがわかった。
一枚3000円程だった。
2枚買った。

1階のラウンジでジュースや紅茶を頼んでしばらく休憩した。

マリーナベイ・サンズ・ホテル
ロビー階

MBSで休憩中

地下鉄で移動する。
Bay Front(ベイ・フロント)駅からMarina Bay(マリーナ・ベイ)駅で乗り換えて、
Dhoby Ghaut(ドビー・ゴート)駅まで戻った。

駅近くのショピング街に立ち寄った。
女房は明日の高級ホテルのアフターヌーン・ティー(ハイティー)に着ていくワンピースを調達。
3人と一緒に探して買ってきた。

マンションのプール

息子一家の住まいは3LDK。
タウンハウス造りで、LDは天井が高く2階部分まで吹き抜けになっている。
2階には3部屋あり、シャワールームとトイレが2つ付いている。

飲料水の確保は必須だそうで、
常時大きなボトルがいくつかキープしてあった。

洗濯物干し場はなく、乾燥機を使用している。
夜のうちに洗濯して、いつも朝には乾燥まで完了していた。

シンガポールの言葉は分かりにくい。
街では、英語なのか中国語なのか、英語でも中国語的に聞こえてくる。

ママの話では、
「孫たちは外で日本語が話せないからか、家に帰るとおしゃべりになって家族の会話が増えた」、と喜んでいた。

<続く>


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